相馬市磯部地区のみなさんと

 
午後は、ぴあクリニックにもいらしたことのある伏見さんと柚木の仮設住宅へのサロン活動に参加させていただきました。
 偶然ではありますが、一昨日の27日お話を伺ったKさんもこの仮設住宅にいらっしゃいました。そして、サロン活動に参加された8名の方もみなKさんと同じ相馬市磯部地区で津波の被害に遭われた方たちです。
 最初は、同じ仮設の人のゴミ捨てのマナーに関する「探偵ですかぁ(汗)」とも思うようなあれこれの話題。ネコとカラスの生態に関する詳しい観察の数々。そんな話題を大笑いしながら話しておられました。
 その後、浜松から来た私に何か伝えたいことはないですかという伏見さんの促しもあったからなのか、いつとはなく、「あの日」自分はどんな経験をしたかの話となりました。
いろいろな方がいっぺんに話すし、方言で何を言っていらっしゃるのかわからないことも多く、うまく再現できません。ただ、みなさんの言葉の端々から感情の大きなうねりのような、大きなそれこそ波のようなものが私を圧倒しました。

最初の防災無線では非常に小さな津波の情報しかなかった。だから、たかをくくっていたけれども、「大きいぞ〜」という声もあって、必死に逃げた。この地域では大きな津波はかつてほとんどなかった。なので、「津波なんか来るわけないじゃないか〜」とたかをくくっていた人もたくさんいた。そういう人はみんな流されてしまった。

津波がきたら高台に逃げろ」と以前から教えられていたたからみんな高台のある南の方向に逃げた。
自分も津波が来るということで必死に車に乗って逃げようとしたが、高台に行こうとする道は渋滞していて、進まない。必死だったけれどもどうにか自分は逃げおおせた。けれども、逃げようとして結局波にさらわれた車もたくさんあった。助かった人と助からない人。その一線があった。

みんな国道6号を西に行けばよかったんだけどなあ〜。高台さ逃げたんだよな。それでやられちまったんだよな〜。

2度めの津波のときにドーンって音がしたなあ。あれって何だったんだ?
あれは波がこうやって(直角に)落ちたんだ。それでドーンってすごい音がしたんだよな。俺(女性だけれども方言で)は必死になって◯◯山のとこさ登ってな。やっと助かった。

波がドーンときて、もう全部流されて・・・俺はそれ見たからな。今も思い出すなあ。こうやって外の景色みてても、向こうの山が波に見えてくる。・・・死ぬまで見えるかもな。(PTSDの説明を簡単に受けたこともあって)夜中にそういうことふっと思い出して、胸が苦しくなってくるんだ。それもそうか?

 一昨日磯部地区に趣き、このブログのために磯部地区のことを調べたりYouTubeで確認したりもしていたので、みなさんのお話がけっこうリアルに聴こえました(あくまで私にとっては・・・のレベルではありますが)。


 本当に、大変なことが起きたのだ。



 その思い以外の思いは浮かびませんでした。