大熊一夫氏来訪

 先月、新居先生と対談予定だったジャーナリストの大熊一夫さんがクリニックにお見えになりました。新聞記者だった大熊さんは、1970年都内の精神病院にアルコール依存症患者を装って入院し「ルポ・精神病棟」を朝日新聞に連載しました。

ルポ・精神病棟 (朝日文庫 お 2-1)

ルポ・精神病棟 (朝日文庫 お 2-1)

  それ以降、日本の精神医療に強い問題意識と関心を持ち続け、福祉が進んでいる北欧や、1978年以降精神病院をほとんど閉鎖したイタリアを取材されています。
精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本

精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本

 大熊さんは、新居先生の考えに触れ「イタリアの精神医療改革を始めた本物の医師が、日本にも誕生した。」と感銘し、この目でその実践を確かめたいと思ってクリニックにいらっしゃいました。今日は、精神保健福祉士PSW)と作業療法士(OT)の訪問に同行されたり、虹の家ミーティングに参加されました。
 ぴあクリニックの実践は「どんな重度の精神障害を抱える人であろうと その人が地域でのびのびと自由に生きていくことを 可能な限り支援します」とスタッフの名刺裏に書いてある理念そのものだ、ということがまず印象に残ったそうです。「来年も同じように見学に来たい。」とおっしゃっていました。懇親会では、日本の精神医療問題や『ルポ・精神病棟』の取材秘話など貴重な話をうかがい、新居先生をはじめスタッフ一同、大変刺激を受けました。ありがとうございました。